川崎宿は、東海道五十三次二番目の宿場で、慶長六年(1601)の東海道宿駅伝馬制度制定から22年後の元和九年(1623)に起立しました。品川宿と神奈川宿の間が五里(19,6km)と長く、伝馬や人足の負担が重かったため宿場として追加されました。六郷川(多摩川)を越える「六郷の渡し」から始まり、宿場の東に位置する川崎大師への参詣客で大いに栄えました。
川崎駅北口行政サービス施設(かわさききたテラス) → ① 川崎浮世絵ギャラリー~斎藤文夫コレクション~ → ② 稲毛神社 → ③ 六郷の渡し → ④ 川崎稲荷社 → ⑤ 田中本陣跡 → ⑥ 東海道かわさき宿交流館 → ⑦ 宗三寺 → ⑧ 佐藤本陣跡 → ⑨ 小土呂橋の親柱 → ⑪ 教安寺 → ⑩ 芭蕉句碑 (→ 川崎駅)
まだまだ暑いけど、朝晩は秋の気配。やっと歩こうと思える季節の到来です。今日は、起立400年記念の川崎宿をめぐる駅ハイ(10/1~11/30)に参加してきました。川崎駅北口からスタートです。
① 川崎浮世絵ギャラリー ~斎藤文夫コレクション~
「公益社団法人川崎・砂子の里資料館所蔵の浮世絵コレクションがお出迎え。浮世絵を心行くまで楽しむことができる。」
コースマップに書いてあったのをちゃんと読まずに、浮世絵ギャラリーまで行ってから開館前だと気が付いたのでした。だって、10:30からの受付なのに、最初のポイント・浮世絵ギャラリーの開館が11:00っていうのは、どうなんだろう。すぐ隣のビルなんだよ。途中で寄り道するようにするとか、最後のポイントにすればよかったのに。隣の部屋に展示されていた子供たちの作品を見てもまだ時間が早かったので、以前見学したこともあり入館しないで先に進みました。
市役所通りを進んでいきます。マンホールのある砂子で旧東海道と交差します。
ピッカピカの川崎市新庁舎。10月10日から順次運用がはじまります。
稲毛神社の前の広場に、大正十四年(1925)に架けられた旧六郷橋の親柱が再現整備されています。
② 稲毛神社
「景行天皇との縁を伝える川崎の古社で、平安時代から江戸時代までは「河崎山王社」などと呼ばれ、東海道川崎宿の鎮守として近隣一円の崇敬を集めた。」
樹齢千年ともいわれる立派な銀杏の木や小土呂橋遺構など見どころが沢山ある神社です。個人的には、平成のご大典記念として製作された「天地睨みの狛犬(藪内佐斗司製作)」がお気に入りです。
動物病院のイラストがかわいい
③ 六郷の渡し
「慶長五年(1600)東海道が多摩川を渡る地点に六郷大橋が架ったが、元禄元年(1688)の洪水で橋が流されたあとは船渡しとなった。渡船は川崎宿が請け負い、渡船収入が宿の財政を支えた。」
明治天皇六郷渡御碑があります。明治天皇が多摩川を渡った時にはまだ橋は架かっていなかったので、舟橋を架けて渡りました。現在の橋は、昭和54年(1979)に工事が始まり、昭和59年(1984)に完成、その後も拡張を続け、平成9年(1997)に現在の形となりました。歩道橋の入口にある舟のオブジェが親柱でいいのかな。大正時代の親柱に比べるとずいぶん可愛らしくなりましたね。
④ 川崎稲荷社
「江戸時代、参道は「稲荷横丁」と呼ばれ多くの人で賑わったという。8代将軍徳川吉宗が休憩で立ち寄ったと伝わる。」
今は、細い路地を入った奥にある小さな神社です。
⑤ 田中本陣跡
「川崎宿にあった佐藤本陣、惣兵衛本陣、田中本陣の3つのうち、もっとも古くから存在した本陣。明治天皇も立ち寄った。」
説明板がきれいになっていました。起立400年です。
⑥ 東海道かわさき宿交流館
「2013年10月、東海道の歴史を活かしたまちづくりを進める拠点として、市民の熱心な活動と要望により開館。2023年に川崎宿起立400年を迎える川崎の歴史を、楽しく学び体験できる。」
⑦ 宗三寺
「中世前期、川崎宿を含む地域一帯は「川崎荘」と呼ばれ、勝福寺が住民の信仰を集めていたがその後身とみられる。本尊の釈迦如来は江戸時代から有名。」
宗三寺では、かわさき交流館開館10周年祭りが開催中。クラフトビールと奈良茶飯風おこわでランチにしました。
中の本陣跡
田中本陣と佐藤本陣の間にあったので「中の本陣」と呼ばれました。江戸後期には廃業となっています。
⑧ 佐藤本陣跡
「川崎宿にあった3つの本陣のうちのひとつ。14代将軍・徳川家茂が上洛するときに泊ったといわれている。」
砂子交差点を渡った先のビルの中に説明板がありました。
⑨ 小土呂橋の親柱
「この地点はかつて新川崎と呼ばれた用水が流れ、東海道と交わっていた。小土呂橋の親柱が交差点脇に移設され残っている。」
稲毛神社に残っていた小土呂橋遺構の親柱です。
⑪ 教安寺
「浄土宗の寺院。山門前左側に建つ石燈籠は、宿内安全、天下泰平を祈願して川崎宿の富士講の信者が天保11年(1840)に建立した。」
順番とは逆ですが、こちらを先に訪れます。法事だったようで山門脇の石燈籠を見て先に進みます。
⑩ 芭蕉句碑
「芭蕉が江戸深川から郷里の伊賀に帰る途中に立ち寄り、門弟たちとの別れを惜しむ句「麦の穂をたよりにつかむ別れかな」の碑が建っている。」
本来のコースはここから教安寺を経て川崎駅に戻るのですが、予定変更。このまま旧東海道をもう少し歩くことにしました。10月から「GO!かながわ東海道~9つの宿場町めぐりデジタルラリー」なるものが始まったのです。というわけで、このまま記憶を頼りに旧東海道を西に進みます。
川崎宿は起立400年ということで、イベントが盛りだくさん。詳しくは川崎宿400年記念サイトをご覧下さい、とコースマップに書いてありました。そして同時開催中のデジタルラリーも開始。コースマップに掲載されていて初めて知ったのです。何の準備もしていませんが、デジタルスタンプ目当てに駅ハイのコースからそのまま旧東海道を西に進んでしまいました。どこまでいけるかなぁ。