加賀百万石藩主で知られた旧前田侯爵家の別邸で、明治23年頃、第15代当主前田利嗣により和風建築の館が建てられたのが始まりです。その後消失や再建を繰り返し、昭和11年第16代当主前田利為により改築されたのが現存する洋館です。昭和58年に市に寄贈され、昭和60年に文学館として開館しました。
鎌倉駅でスタンプを押して、いざ出発。混んでくる前にササっとお散歩してきましょう。
横須賀線のガードをくぐり、江ノ電の線路を渡って、六地蔵の先で和田駅に向かいます。再び線路を渡ると左手に見えてきたのは、大河の愛されキャラ和田義盛の眠る和田塚です。
和田塚
建暦三年(1213) 五月 和田合戦で敗れた鎌倉幕府侍所別当和田義盛ら和田一族を埋葬した塚と伝わります。大河ドラマでは、無骨者にもかかわらず愛らしい癒し枠の義盛でした。「あのお方を嫌いな人なんていませんよ」という時房の言う通り。無念な最後は、みんな義時のせい。
和田塚の少し先の交差点から再び江ノ電の線路を渡ると文学館入口の交差点に出ます。信号を渡り細道を進むと文学館の入口です。受付をしてトンネルをくぐると文学館が見えてきます。
ハーフティンバーを基調として和風のデザインも混在する素敵な洋館です。邸内は文学館となっています。内部の写真は撮れないのですが、丸窓のステンドグラスがとても素敵です。特別展「没後35年 澁澤龍彦 高丘親王航海記」が開催されていました。初めて聞いた小説ですが、なんだか面白そうです。今度読んでみましょう。
広々とした庭の奥には海も見えます。
バラは咲き始めたところ。まだパンフレットの写真のようにはいかなぁ
ホトトギスもありました
旧諸戸邸
文学館の近くにある公園の一角にある洋館は、明治41年に建築されました。鎌倉市長谷子ども会館として利用されていたようですが、現在は手入れも行き届いていないようで閉鎖されていました。素敵な洋館は後世まで残して欲しいけど、難しいですね
加賀谷邸
こちらも近くにある洋館です。案内板によると旧諸戸邸とよく似ているそうです。
甘縄神明神社
主祭神は天照大神 和銅三年(710) の創建で、鎌倉で最も古い神社です。源頼義が相模守として祈願した後、義家が生まれたと伝えられています。
鎌倉時代には足立盛長の屋敷があったとされ、境内には北条時宗公産湯の井が残されています。
人が増えてくる前に帰ることにしましょう。帰り道に今日のおやつも買いました。
鎌倉文学館のバラはまだ満開には少し早かったようです。パンフレットのようなバラと洋館はお預け。素敵な洋館でよくテレビドラマのロケ地にもなっています。三階建てですが、公開されているのは、1階と2階のみ。3階は建築基準法により公開が認められていないそうです。ちょっと残念。大規模改修のため2023年4月から2027年3月まで休館になるそうです。3階も見学できるようになるといいな。
そして寄り道した和田塚。今回の大河ドラマで和田義盛の印象がだいぶかわりました。巴御前も。何とも愛すべき人物に描かれていて、史実は動かしようもないからしょうがないけど、合戦が回避できたらと本当に思ってしまいました。