瀬谷八福神
昭和59年(1984) 正月より、七福神に達磨大師を加えてそれぞれの寺院に福神をまつり、全国でも珍しい「瀬谷八福神」となりました。
(瀬谷駅)→ 1.長天寺・ダルマ大師 → 2.妙光寺・大国尊天 → 3.善昌寺・恵比寿神 → 4.徳善寺・毘沙門天 → 5.寶蔵寺・弁財天 → 6.西福寺・布袋尊 → 7.宗川寺・福禄寿尊 → 8.全通院勢至堂・寿老人 (約11km) →(希望ヶ丘駅・ゆめが丘駅)
今年最初の歩き始めは、八福神めぐり。鎌倉街道上道歩きの途中で気になっていた八福神です。なぜ八福かというと、七福神にダルマ大師が加わっているのです。相鉄のスタンプラリーが開催されていたので歩いてきました。今年の願い事はただひとつ
「コロナ退散!」
まずは、相鉄線の駅でスタンプ帳をゲット。
スタートは瀬谷駅。久しぶりに訪れたたら、すっかりきれいになっていました。駅から富士山が見えました。まずは瀬谷小学校の隣にある長天寺を目指します。
1. 長天寺・ダルマ大師 臨済宗建長寺派 相澤山長天寺
応永元年(1394)の創建。林宗薫大和尚禅師によって開山、開基は平本六郎兵衛と伝わります。明治期には瀬谷村の役場が置かれていました。
・七福神になぜか加わっているダルマ大師。「ダルマ」といえば「七転八起」。転んでも立ち上がる不屈の精神で、厄除け開運のご利益があるとされています。
来た道を戻り瀬谷駅を過ぎて環状4号線を北に進ます。このまっすぐな道路は別名「海軍道路」。この辺りには第二次世界大戦以前、旧日本海軍の火薬庫や補給工場がありました。直線の道路は滑走路への転用も視野に入っていたといわれています。戦後は米海軍に接収され上瀬谷通信施設となっていましたが、2015年に全面返還されました。2027年には花博の会場となります。その後は・・・どうなるんでしょう。テーマパークやら新交通システムの話もありましたが、個人的には相模原公園・麻溝公園みたいに花博を活かした自然豊かな公園がいいな。春の桜並木はとてもきれいですが、本数がだいぶ減っているような。上瀬谷小学校東側の交差点で左に入ります。
牢場坂
上瀬谷小学校を過ぎると下り坂になります。宝徳年間(1449-1451)頃、後北条の家臣で深見城の藤原朝臣山田伊賀入道経光の設けた牢場が鎌倉街道沿いに置かれていたため「牢場坂」と呼ばれるようになりました。坂を下ると鎌倉街道上道に出ます。南に進むと妙光寺が見えてきます。
白雉三年(652)明光比丘尼が建てた庵がもとになり、大同年間(806-810)に辨通が天台宗福昌山明光寺として寺にしました。弘安五年(1282)9月17日に、日蓮聖人が宿泊したことで改宗、日蓮聖人を開山として、日蓮宗蓮昌山妙光寺となりました。
・大きな袋と打ち出の小槌をもつ大黒天。商売繫盛、財運福徳のご利益があるとされています。
北向地蔵尊
今日も仲良くお茶の時間。この先は鎌倉街道上道を進んでいきます。一度歩いた道だけど逆向きに歩くのはちょっと新鮮。
大本山鎌倉光明寺の末寺で、室町時代天文二年(1533)の創建となります。
・にこにこ顔の恵比寿神。古くは漁業の神でしたが、次第に商売繫盛や五穀豊穣をもたらす神様となりました。
街道を進んできます。
4. 徳善寺・毘沙門天
弘治元年(1555)に創建され、開山は玄室泰存禅師。本尊は釈迦牟尼仏、脇侍に文殊・普賢の両菩薩を祀ります。
・四天王の随一として北方を守護し多聞天とも呼ばれる毘沙門天。七難を避け、財富・福徳を授けます。武将の間では戦いの神として篤く信仰されていました。
北側ルートで終わる場合は徳禅寺から瀬谷駅に戻れますが、そのまま街道を進みます。相鉄線のガードをくぐり歩いていくと道の真ん中に道祖神。よく残ったものだぁ。厚木街道の一つ手前の道を左に入ると寶蔵寺が見えてきます。
5. 寶蔵寺・弁財天 高野山真言宗 瀬谷山寳蔵寺
治暦二年(1066)秀恵比丘尼の開基。御本尊は不動明王で不動堂を始まりとするお寺です。
・七福神の中では唯一の女神である弁財天。知恵、財福のほか、音楽は学芸など芸道の神様として崇められています。
室町時代の創建で、かつては正面が西向きに末広がる扇面の境内地形で西方浄土を望むことから西福寺となづけられました。
・大きなおなかの布袋尊。モデルは中国の禅僧で、智恵袋を持つ開運と安産の神様です。
左馬社にお参り。左馬社前にも道中の道祖神。
7. 宗川寺・福禄寿尊 日蓮宗 白東山宗川寺
日賢上人が駿河から江戸への布教の途中に、里人の石川宗川の篤い信仰心に感じ入り開山したとされます。
・短身、長頭、多髪の福禄寿。年齢が数千年ともいわれ、幸福、財産、長寿の三徳を形にした神様です。
さくら小学校北側の交差点から街道と分かれ、環状4号線を歩道橋で渡ると勢至堂がみえてきます。歩道橋の上からは富士山と大山が仲良く並んで見えました。
8. 全通院勢至堂・寿老人 徳善寺別院
徳禅師の別院で、勢至菩薩を御本尊としています。開創は寛永年間(1624-1643)。
・古代中国の神、寿命を司る髯明神ともいわれる寿老人。智恵と長寿を約束してくれる神様です。
長屋門公園
勢至堂から瀬谷駅までは3kmほど。希望ヶ丘駅とゆめが丘駅のスタンプも欲しかったので、ググってみると希望ヶ丘駅までは3.6km。歩けそうじゃん。ということでナビを頼りに歩いていきます。住宅地を抜け、和泉川を渡り、小学校先の坂を下ると立派な長屋門が見えてきました。
明治17年(1884)の建築された長屋門と、それ以前に建てられたを思われる穀蔵とが一続きになっています。門をくぐると母屋がありますが修理中でした。母屋は泉区から移築されたもので、天保年間に建てられたものとされています。奥にはせせらぎ沿いに雑木林の中を散策路が続く気持ちのいい公園でした。
希望ヶ丘駅の改札外でスタンプを押して、ゆめが丘駅に向かいます。ゆめが丘駅に着いた時はちょうど夕暮れ。富士山がとてもきれいに見えました。
ゆめが丘駅でスタンプを押して終了です。
早昼を食べて、瀬谷駅から一気に巡ってきました。「コロナ退散」のお願いが届きますようにしっかりとお参りしてきました。一度歩いた鎌倉街道の逆ルートですが、お寺は入りにくいのでこういう機会があるとありがたいです。地図には、1~4番の北側ルートと5~8番の南側ルートに分ける推奨ルートが載っています。お寺はほぼ鎌倉街道沿いになるので、お寺までの環状線ルートはちょっと退屈。バスで竹村町(2妙光寺)か下瀬谷橋(8全通院勢至堂)まで移動してから歩き始めてもよさそうです。
年始から時間が経つにつれ感染者は増えて、未だコロナの終わりは全く見えません。遠出や会食はなくなったけど普通に出勤しているし、2年前のような未知の怖さはなくなってきたので、そろそろ折り合いをつける頃かもしれません。とりあえずはうがい手洗いして体調管理に気をつけて過ごしましょう。
今年こそ「コロナ退散!」 いい年になりますように!